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話題の本を読んでみた:幻夜 東野圭吾 [読み物]

 「幻夜」をドラマ化するそうな。しかも、深田恭子さん主演で。

 この本は「白夜行」の姉妹編、続編とも言われている本で、白夜行を読んでから幻夜も読んだんですけど、今回、またまた読み返してみました。

 白夜行は「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。

 幻夜は「あたしらは夜の道を行くしかない。たとえ周りは昼のように明るくても、それは偽りの昼。そのことはもう諦めるしかない」

 違うんです。白夜行の方が、まだ救いはあるし、主人公の雪穂さんが何を求めて、何をしようとしているのか目的がわかるので、同じ悪女として、なんとなく許せるんですけど、美冬さんは、一体、何がしたいのか?なぜそこまで?と思ってしまいます。

 幻夜を読んでいると、白夜行の続き?もしかして、美冬さんは雪穂さんなの?と思うこともあるのですが、もしも、雪穂さんだとすると、幻夜の雪穂さん(美冬さん)は、まさしく夜の道を行くしかないのです。

 個人的な意見ですけど、白夜行で最愛の人(太陽のかわりに雪穂さんを照らし続けてくれていた亮司さん)を亡くしてしまっているので、幻夜では、夜しかないのかな。そう考えるとものすごくかわいそうなのですが、文章の中には全くそれは出てきません。読者は想像するしかないのです。

 ラストも「もしかして、3部作にしたいのか?」と思うようなラストですし。

 でも、いくら利用するだけの男だったといっても、雅也さんがあまりにもかわいそうでしょ。浮かばれない。

 一言でいうとあらすじは「かかわった者みんなを不幸にしても、自分の幸せをつかむ悪女の物語」です。

 とんでもなく悪女です。ここまで悪女っぷりを発揮できるのはもはや才能としかいいようがないくらいの悪女です。

 僕が今まで身を固めなかった理由はただ一つ。頭のいい女性に巡り会えなかったということだ。君はこれまで会った女性の中でずば抜けて頭がいい。そして頭がいい女性というのはしたたかなものさ。そう、見方によっては悪女と誤解されるおそれもあるね

 とこれまた、美冬さんの魅力にとりつかれた男秋村さんのセリフです。そんな上から目線でいいのか?アンタも美冬さんの野望(まさしくそんな感じ)の道具にすぎないんだけど。

 結構、分厚い本なんですが、一気に読めます。白夜行を先に読んでから「幻夜」を読んでみてください。同じ悪女(同一人物?)でも、違います。

 そして、幻夜は衝撃シーンも出てくるので、そこはちと気をつけられた方がいいかも。

白夜行


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